ギフテッドの集い

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「ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方」を観て

こんにちは、やすくんです。


今春公開された「ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方(原題:”The Biggest Little Farm”)」をビデオで観ました。冬の終わり頃から公開を楽しみにしていたのですが、新型肺炎の影響で映画館は休館・・・。映画館の再開がまだまだ先になると思い、我慢できず、英語圏版のDVDを購入しました。幸い、農業の知識と語学力が備わっていたので、内容は十分理解できました。


映画の中で、主人公である夫婦は伝統農法を実践するというポリシーを掲げていました。私も貸し農園で、この夫婦の伝統農法と非常に似ていると思われる(伝統農法の定義が劇中で語られなかったので「非常に似ていると思われる」と表現します)自然農法に挑戦しているので、この二人にとても共感しました。二つの農法の共通点は、本来の自然のシステムに近づけて(農薬や肥料を使わず、雑草を生やし、様々な生き物の働きを利用して)土壌を育てる農業を行うことです。私の貸し農園はごく小規模なので、敷地内に動物を飼ったり、池を作ったりは出来ませんが、この映画を観て、自然農法を実践するために前に進む(二人の所有しているような農園を運営する)時期がやって来たのだと強く感じました。


一般の農業従事者が害虫や害獣と呼ぶものに対する主人公達の考え方にも共感できました。主人公の夫は自分達の家畜を襲うコヨーテを銃で殺したのですが、そのコヨーテと殺処分前に引き取った愛犬の姿を重ね、それ以降、犬を使ってコヨーテを追い払うことはしても、殺すことはありませんでした。コヨーテにも伝統農法における何らかの役割があるだろうと信じたのです。(後日、コヨーテは果物の木の根をかじる動物を餌として食べるようになり、果物の成長を助けたのです)私も農園を利用し始めたばかりの頃、周囲の人や書籍が言う様に、害虫といわれているカメムシを殺したことがありました。でも、殺した瞬間、自分は何かおかしなことをしていると感じました。そして、自然農法と出会い、作物を食べる虫を殺すのではなく、共生する道を選びました。例えば、トマトやイチゴなどは度々、虫に食べられます。だから、沢山植えて、多少未熟でも虫に食べられる前に一部を収穫するようになりました。そして残りは虫達の分として諦めるようになりました。共生を前提とした解決方法を探る、これがこれらの農法の、いえ、自然環境で生きる上での正しい試みなのだと思います。


ここで紹介した農法や他の生き物に対する考え方は、ギフテッドの価値観の一つ、「公正であること」を実践していると思います。公正とは何なのでしょう?少なくとも農薬や化学肥料と言った毒を大地にバラ撒き、特定の生き物を排除し、人間の都合だけで土地や資源を利用するのは公正ではないと思います。


人の営みは何世代もかけて自然からとても離れてしまいました。何世代もかけて変化したものを今日明日に元に戻すことは出来ません。しかし、私の心は自然に戻りたがっています。利便性や安全性、安定性などを優先するがあまり、それらと引き換えに失ったものを取り戻したいと言っています。不安な事や分からない事は山ほどあります。しかし、勇気を振り絞る時が来たのだと思います。生物の多様性を維持したまま、生き物本来の自然な暮らしを実践出来るよう、前進して行きたいと思います。